2010年9月8日水曜日

パッドとヤスコさんの対談録










時は20世紀初め第一次大戦の真最中
空爆下のロンドンで出合ったロイとマイラ。
二人が霧のロンドンを舞台に繰り広げた切なくも哀しいラブ・ストリー・・・。

日本公開は1949年敗戦後の混乱の中に疲れていた人々にとっては、ヒロインのマイラを演じたヴィヴィアン・リーの憂いを秘めた美しさと、クローニン大佐ことのロイを好演した我がボブは堪らないほどの格好良さに強烈に衝撃を受けた。大味好むアメリカ本土より繊細なアジア諸外国でダントツに人気を博した。

初公開から大分遅れの何十年後に初めて観たのですが、私にとっては生涯忘れられない映画となり、ボブのファンとなった切っ掛けの映画です。

マイラはバレリーナそれもプリマドンナと云った大役でもなく、その他の大勢クラスの踊り子の一人です。
ロイに惹かれていく彼女の表情や感情の動きが、とても可愛く感じられました。
 
 バレエの場面がチャイコフスキー「白鳥の湖」です。
映画で演奏されたのはバレエ「白鳥の湖」より 「4羽の白鳥の踊り」の音楽ですが、ふだんでも一番良く演奏されて親しまれている曲かと思います。

この映画で最も印象的な場面それはなんと云っても、あのラスト・ダンスの場面でしょうね。
 戦場へ赴くロイともう二度と逢えないかも判らない悲しみに沈むマイラに非情にも別れの時が近づきます。
 哀しげに響く「別れのワルツ」フロアを照らすキャンドルが一本、そしてまた一本と消えていき
 すべての灯りが消えて薄闇の光に照らされた、二人のシルエットだけが映ります(下記にある写真の通り)。
一言のセリフもなしに二人の気持のすべてを表現した名場面でした。別れたくないマイラをロイは家まで送り届ける。。。

 雨の日の再会もとってもいい場面。。。
軍の命令で戦場へ赴くのが延びたロイがマイラの前に姿を見せた。
悲嘆の底から思いがけない再会に喜びを隠すことが出来ない、マイラの無邪気な姿に人々は愛惜の泪を流したのでしょう。


 平和が甦ってまだ数年現在に比べて戦後のあの頃の方が、
生命の尊さや生きることの有難さを実感していたように思います。

日本の「君の名は」は、この映画にヒントを得て作られたようです。
 原題の「Waterloo Bridgeは云うまでもなく、二人が出会った場所ウオタルー橋です、邦題の「哀愁」はどうかなと。原題のままで良かったのに。。。
     
「哀愁」の監督マーヴィン・ルロイはその後に、記憶喪失を主題にした「心の旅路」を作りましたが、戦争と云う悲劇の後遺症に鋭い視線を当てた名作。主演は大好きなコールマンとグリア・ガースンです。ボブとヴィヴィアン・リーの再共演での「心の旅路」も悪くないと思いました(単なるファンの妄想です(汗笑。。)


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パッドさん~!こんにちは!この作品のマイラの友達キティは本当に高潔な人格を持つ現実主義者ですね。彼女に感動の涙が止まらなかった。。。マイラの為、仕事を失い更に絶境の中病弱のマイラを助ける為、不惜生命花柳界に淪落するまでマイラを支えた。彼女の人生はマイラとの接点で完全に狂いされ、ある意味でマイラとロイの運命的な出会いの犠牲者ですね。マイラは九死一生を経て帰還したロイと再会し、キティは素直に喜び、躊躇う彼女に勇気をつけ、結婚を勧めました。(このシーンはキティの前向きの生き方は表れている。もしロイの相手はキティならキティは自決しないかもしれない。)マイラの人物像は理想を追うプラント高いタイプですね。彼女はロイを愛する以前はまず自分を愛した。彼女は自分の崇高な愛にすべてを賭けそして失い更に挽回不能の過ちを犯した。彼女はロイの愛に対する応えは100%の純潔さと誇りに成り立っている。到底ロイに愛されないから一層潔く死を選んた方が彼女らしい生き方ですね。終盤のシーンは初老の女は生計のため、ポロポロの体を駆使し駅に方向に行く姿はマイラに自分の未来を諭すシーンでしたね。悲しすぎるよ。。。 削除

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>ヤスコさん、こんばんわ!
ご指摘の通りキティは一番の犠牲者です!
二人出逢った時点から運命の歯車がもう既に狂い始め、
そうして、キティまで巻き込んで、とてつもない悲劇を生んだ。
誰のせいでもない、戦争は3人の若者の人生を狂わした。
せめてロイは総てを知った後、キティを救ってほしかった・・・。
もし続編があればキティとロイのハッピーエンドを観たかったね~。それもあり得るよね。じゃないと残酷過ぎる。
ラスト、橋の上で回想に耽るボブ、泣けるよねぇ~、いい男だから余計に。
時が立っても(白髪になっても)いつまでもマイラのことを思い続けるロイの姿は本当に切なく、悲しい~。
ボブはこういう純情な男が本当に良く似合います。
我がボブは一世一代の大活躍でしたね(笑。
ロイ役以降、ボブは優男からやっと主役を張れるようになった。
しかし、キティ役のヴァージニア・フィールドの演技にも感動したよ。彼女をはじめ、ベテラン俳優陣の助演も素晴らしかったね!

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パッドさま、この作品はあくまで戦争の残酷さを描いた作品ですよね。主人公マイラの死はその無念さ残酷さで引き立て作品の美しさを際たつようになる。同時に人間の運命の儚い、女性同士の固い友情平行に描いた素晴らしい作品です。観る者としてキティの最後は気になるですがロイとのハッピーエンドは不可能に近いですよ(涙)冒頭のシーンで橋に佇むロイは懐からビリケン人形を取り出し愛情を満ちた仕草で人形を撫でながら往事に耽る。。。このシーンはある意味でロイはマイラを忘れなく胸の奥に思い続ける検証ですね。マイラは命と引き換えにロイに自分の愛の深さと荘厳さを思い知らせたでも言えるでしょう~。 削除


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>ヤスコさん、こんばんは!いつも感謝です。
これは立派な反戦映画ですよね。
戦争が引き裂いた愛、時が引き裂いた恋と友情。

戦争をテーマにした作品をたくさん観てきたが、
概ね憎悪と国威発揚や狂気を病む人の話が多い。
これほど静かな悲しみだけが伝わってくる映画を知りません。
戦争の悲劇で、だれも責められない、どうしようもないと切々に思いました。 しかし、ヤスコさんはキティとロイのハッピーエンドはあり得ないですか、
とても残念です(笑。
ロマンスグレーになったボブの姿、
悲しみに耐えた年月に曇ったような瞳を見て 思わず涙ぐんでしまうよね。
パック音楽と相まって、濃霧のウォータールー橋を歩くシーンは何度も観たくなります・・・。
相変わらずハンサムなロイ、彼は色男だから、余計に悲しい~。

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